江戸患いと晦日そば

query_builder 2026/07/01
江戸患いと晦日そば

脚気(かっけ)という病をあなたはご存じですか。食事環境が豊かでバリエーションの富んだ現代ですとほとんど死語のように扱われている病ですが、ビタミンという考え方が発見される以前には怖い病として知られていました。

この病気は体内のビタミンB1が不足することで発症。糖質をエネルギーに変える働きが滞り、末梢神経の障害(しびれや麻痺など)や心不全(むくみや動悸など)を引き起こします。症状が進むと死に至ることもあるから恐ろしいですよね。今から250年ほど前の江戸で流行したことから江戸患い(えどわずらい)とも呼ばれており、かの出版王である蔦谷重三郎の死因も脚気だったとか。

さて何故江戸では脚気が流行したのか・・・その要因は江戸独特の食生活にあったといいます。彼らの食事は今とは違い、朝炊いた5合の白飯をその日中に食べきるというもので、副食であるおかずは漬物・納豆・味噌汁、稀に魚の干物とが出るといった質素なものでした。とにかく主食の米をたらふく食すというのが江戸の粋で、玄米や雑穀などは田舎臭いと敬遠されました。

しかしながら白米ばかりの食事を続けると脚気になりやすいということも知られるようになり、ある頃から習得的に「蕎麦」が脚気に効くと知られるようになります。現代の栄養学から見ても蕎麦には、ビタミンB1が白米の約24倍も豊富で、疲労回復や夏バテ予防に高い効果を発揮することが分かっています。こうして江戸庶民は蕎麦を好むようになりますが、特に毎月末には蕎麦を手繰る習慣が流行り「晦日そば」という風習として定着します。現代の年越しに欠かせない晦日そばのルーツは、実は江戸煩いにあったんですね。

ちなみにビタミンB1が発見されるのは1910年のこと。日本の農芸化学者である鈴木梅太郎博士によって米ぬかから発見されました。当時はビタミンではなく「オリザニン」と呼ばれていたんですよ。


----------------------------------------------------------------------

まるこ訪問看護ステーション

住所:
東京都中野区若宮2-34-19
テラスハウスB

電話番号:03-6383-0823

----------------------------------------------------------------------